PAUL LACROIX  ポール・ラクロワ

Creative Technologist / Engineer / Media Artist

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過去の経験を生かし、日本で最初に就職したのは、3Dスキャナーを製造する会社でした。数年後、よりグラフィックな仕事に関わりたいと思い、CG映画を製作するポリゴン・ピクチャーズへ入社。モデル製作者、アニメーター、CGクリエーターとともに、世界的クラスの製作に使われた独自のソフトウェア・ツールやプラグインの開発に携わりました。カルト的人気を誇る映画『GHOST IN THE SHELL 2.0 / 攻殻機動隊2.0』の新バージョンに登場する脳のイメージの創作や、テレビシリーズ『トロン:ライジング』に使われたプラグインの開発など、数々の素晴らしいプロジェクトに関わってきました。

2009年、ポール・ラクロワは自分の興味のある分野であるアートやコンピューター・グラフィックとプログラミングのスキルをあわせた新たな道を探り始めました。その結果、観客の視線を感知して反応し、リアルタイムに双方向で楽しめるコンテンツを開発しました。「これによって観客とのつながりが生まれ、観客はもはや単なる傍観者ではなく、作品の立派な出演者となることができるのです。」

注目すべきは、彼の制作したキネクトセンサーを使ったバーチャル試着室です。当時は、物理シミュレーションに深い興味を抱いていました。数学的モデルをデザインし、何か現実のものをコンピューターの中で再現するのです。それは、本物そっくりの正確性を持ちながら、リアルタイムに動かせるくらいのシンプル性を併せ持っています。
さらに、SEGAの東京ジョイポリスの改装にも関わり、3DのライブキャラクターLOPITのリアルタイムシステムを設計・開発しました。彼はこの仕事に楽しみながら携わり、CGクリエーターだけでなくライブステージの専門家やダンサーとも一緒に働く機会を得ました。

もう一つ、彼が意欲的に活動している分野は、プロジェクションマッピングです。ここでは、普段はコンサルタントとして貢献し、3Dで作成した画像を実際に支障なく映し出せるよう使い勝手の良いワークフローの作成に取り組んでいます。日本発の本格的なプロジェクションマッピングのイベントとなった成蹊大学のプロジェクションマッピングに参加しました。また、カレッタ汐留やドックヤード・ガーデンのプロジェクションマッピングにも参加しています。

人体検知とプロジェクションマッピングにおける経験を活かし、彼は「OMOTE」において世界初のリアルタイムフェイストラッキングとプロジェクションマッピングシステム(1週間で500万回以上のビュー)を創り出しました。彼のフェイシャルマッピング技術の進歩を追いかけるべく、他のいろいろなプロジェクトがそれに続きました。日本のテレビ番組の「フェイスハッキング」、実写映画「攻殻機動隊」の日本版プロモーションビデオ、英国系アイルランド歌手「Empara Mi」や日本のバンド「神様、僕は気づいてしまった」とのコラボレーション、東京都美術館での「ゴッホ展フェイスマッピング」、2019年版ユーロビジョン・ソング・コンテストでのフランス人歌手ビラル・ハッサニのライブプロジェクションマッピングなどがそうです。

顔以外にも、彼は全身のプロジェクションマッピングの研究と実験に数年を費やしました。技術的に顔よりもはるかに困難であるにもかかわらず、彼はついに「EXISDANCE」や「PARTED」といったプロジェクトをリリースしました。

ポール・ラクロワは情熱的で、同じように情熱的な仲間と一緒に困難なプロジェクトへ取り組むことにやりがいを感じています。「クリエーターやアーティストたちと一緒に働くのは本当に楽しいです。彼らの持つ夢やビジョンについて一緒に話し合って、私はそれを現実にする方法を見つけてきたんです。」